親友の物忘れが激し過ぎた話

 

 

 

高校を卒業してからも
月1くらいのペースで遊ぶ親友がいる。
ここでは親友、Fと表記しよう。
 
 
Fとの会話は笑いが絶えない。
しかし決まってほとんど
内容のない、内容がカス過ぎて
家に帰った頃には
何で笑ったかはもう覚えていない、
そんな感じである。
 
 
笑いの生産量に反比例して
日常生活に反映できるような
生産性はほぼゼロ。
いや、皆無だ。
 
 
これは高校の時から進歩がなく
ついに2人ともアラサーに
なってしまった。
 
 
ちなみにラインでは
こんなやり取りばっかりしてる。
 
 
 
 
 
ついこの前、そのFの家で
酒を飲んだ。
 
例によって、もし3対3の
BBQをするなら女性芸能人は
誰を呼ぶか、というような
この世の端くれみたいな
話題で盛り上がった。
 
 
結果的に小島瑠璃子最強という説が
出来上がって終わった。
 
 
 
 
そして酒もいい具合に回ってきた頃、
ゲームの話題になった。
あまり具体的には覚えてないが
僕はゲームに詳しくなく、
Fが昨今のゲームの風潮を熱く
語っていた感じだったと思う。
 
ここで事件は起きた。
 
 
F『あのー、最近流行ってる、
ほら、えーっと、、
なんやったっけなぁ
えー、、そう、、
 
なんとか・なんとか・なんとか 
 
 
 
 
 
 
なんとか・なんとか・なんとか。
 
 
 
 
 
なのだ。
 
 
 
ひどい。
あまりにも。
 
 
 
3単語で形成された
名前という事しか分からない。
 
 
普通3つの単語で形成された
名前であるならば
せめて1つくらいは覚えているだろう。
バンド名で例えると
ASIANかKUNG-FUかGENERATIONのどれかは覚えていて欲しいものだ。
 
 
その1つを頼りに検索したり
出来るのだが、
Fはまさかの『なんとか』という
不透明な単語で押し切ったのである。
 
 
 
 
ゲームに詳しくない僕からすれば、
手がかりが無さすぎる。
 
 
 
もし探偵でこの案件を
担当する事になれば
即刻退職届けを提出する。
 
 
 
 
話題は変わり、Fが
最近誕生日に彼女から服を
買ってもらったという。
 
 
 
僕はどこのブランドの服かを聞いた。
 
 
 
F『えーー、っとなんやっけ...
アルファベットのT、
Tがつきそう、、
Tがどこかについてる、、
いや、つけへんかもしらん、
でもTはどこかについてる気がする...』
 
 
 
 
 
 
ひどいpart2
 
 
 
 
 
アルファベットのTが、
ブランド名のどこかに
つくかもしれないらしい。
先頭にTがつくならまだしも、
どこにつくかは明確ではなく、
しかもつくのは確定ではなくて、
つかない可能性も大いにあるらしい。
 
 
 
 
 
例えば
 
 
 
服のブランド イニシャル T
 
 
 
で検索すれば、
それなりに絞られた
検索ヒット数になるだろう。
 
割とすぐに見つけられる可能性がある。
 
 
しかしだ。
 
 
 
服のブランド T どこかにつく
 
 
で検索するとどうだ。
たちまち検索ヒット数の数は膨大になる。
 
 
 
 
さらにだ。
 
 
 
服のブランド T どこかにつく いやどこにもついていないかもしれない
 
 
 
で検索をすると、
それはもう、なんだ、
Siriが強制的に起動して
は?』
と言われるに違いない。
 
 
 
 
確実にFの記憶を司る
細胞が黄色信号だ。
 
 
 
 
結局そのブランドの正体は
TOMMY HILFIGERだった。
 
 
凄く有名だし、
思いっきり先頭にTがついてる。
 
 
ゲームの方は分からずじまいである。
 
 
あれからと言うもの、
なぜかムキになった
僕はBOOK・OFFに行くたびに
血眼になって
3単語で形成されたゲームを
探してはFに確認を取っている。
 
 
そしてこの不毛なイベントは
明日からも続くのだ。
 
 
 
時間を返して欲しい。