どんな音楽が好きなんですか?というキラークエスチョンへの対策案






今日の記事の内容はタイトルにある通り、
あまり音楽に詳しくない人と
話す時に起きがちである
人生における最大の難関、
どんな音楽が好きか、という質問に
ついての対策を見つけたい。


ここで肝心なのは、
あまり音楽に詳しくない人からの質問
という事である。



例えば代表として
初めて行く美容室、
入りたての職場の上司、
服屋の店員、
通りすがりのインド人、
など、そういった場面に出くわす
シチュエーションは山ほどある。




僕自身、この質問は
何十回何百回と味わい、
そして奥歯を噛み締めながら
この場をやり過ごしてきた。



もうそろそろこの不毛な質問に
ピリオドを打ちたい。

というのも、
向こうがそのアーティストを
知らなかった場合、
百発百中で変な空気が流れ、
誰も得をしなかった時間が出来上がる。
これが、シンプルに嫌なんです。


そもそも音楽にある程度詳しい人ほど、
あまりこういった質問はしてこない。
ライブハウスなどでの会話も
ある程度親しくなってからやっと
こういったルーツを探る事が多いし、
そういった会話になってもやはり
一般の人よりかは遥かに音楽の話が
進む。高速道路ですか?というくらい。


そう、音楽にあまり詳しくない
人ほど、なぜか聞きたがるのだ。
それはまるでもう、高速道路とは
正反対の、信号が引くほど多い
一般道である。




今まで僕が何万回と経験した、
もはや定型文となった会話がコチラ。



自分、音楽をやってます。


へぇ!すごい!
どんな音楽が好きなんですか?



これである。
しかしこれに対して不平不満は
ない。むしろその人にとっては
1番自然な返しで、
もちろん悪意なんて無いのだから。


しかしその悪意なきピュアな好奇心から
生まれた質問だからこそ、
こちらとしては困ってしまう。


質問の漠然とした感じ、
向こうの知識量の不明瞭さ、
そもそも音楽とはなんだ...?
短歌とかもアリなの...?
という、一瞬にして
ラビリンスへと潜り込む案件なのだ。


やめて。
もう。
その質問やめて。



この前もあった。
初めて話す30代後半の人。
すごく優しいいい感じの人だった。


僕はこういう時に大体
言うのは、アジカンだ。

アジカンは、とても絶妙な
知名度である。

無論僕たちからすれば
スーパー爆売れバンドだけど、
やはり知らない人も割といる。

アジカン好きです、というと
そこでその人の音楽の知識量が
一気に浮き彫りにされる。


アジカン...?となれば、
その人は全く音楽を知らない。
というよりも、バンド音楽を知らない。

なので、ああ、えーっと、
RADとかも好きです!
と言うと、
あーRADね!
と言う具合に落ち着く。
この人の音楽知識をDとしよう。


そしてその人はアジカン
知っていたので、
もう少し掘り下げる事にした。
あとはそうですね、
eastern youthとか、、

すると

いーすたんゆーす...?

となったので、ここでピリオド。
その人はアジカンを知っていて
eastern youthは知らなかった。

なのでその人の音楽知識はCだった。


あくまで僕が決めた指標ですけど。





では、ここで僕が理想とする
切り返しをお見せして行きたいと思う。





自分、音楽やってます




へぇ!すごい!
どんな音楽が好きなんですか?





そうですね、ではまずあなたの
音楽知識をA.B.C.Dの4段階に
分けるとするなればご自身は
どの段階にいると自負されていますか?




...?





急な理論展開に戸惑いを隠せないだろう。
しかし僕にとっての理想の切り返しは
こうだ。ある程度のヒエラルキー
設定する事でスムーズに話が進む。

でも、この切り返しの欠点はやはり
4段階の基準がとても曖昧で
一度に全てを伝えることが出来ない。



なので





自分、音楽やってます





へぇ!すごい!
どんな音楽が好きなんですか?






はい、ではまずこちらの表を
ご覧ください。こちらの表に
記載されてあるアーティストの中で、
ご自身が知っているものに
一通り○をつけていってください。







こうだ。これで決まりだ。
これは相当気持ちが悪い。
質問されるや否や、
ここぞと言わんばかりに鞄から
訳の分からない表と
ボールペンを取り出し、
○をつけさせる。
サイコパスのやり口だ。




しかしこの欠点は
時間がかかってしまうこと。
なにせこの表は日本の全アーティストが
記載されている。
あの、昔のカラオケにあった
分厚い本くらい。


なので、





自分、音楽やってます




へぇ!すごい!
どんな音楽が好きなんですか?





とりあえずライン教えて
頂いてもいいですか?
そこで後日、自分が好きなアーティストとその代表曲のYouTubeのURLを添付します。なのでそれまで待ってください。




これだ。
これはもう、気持ち悪さが
うなぎ登りしてしまっているが、
これが1番合理的じゃないか。
知ってるか、知っていないかの
問題ではなく、そのアーティストはどんな音楽をしているか、それを伝えることが
出来たら、それで問題がないと言う訳だ。



しかしこの欠点は、
結局その場で質問を答えられていない事
後回しにしてしまっている煩わしさ、
ラインを断られた時の気まずさ、
などがある。





なので、





自分、音楽やってます




へぇ!すごい!
どんな音楽が好きなんですか?







どんな音楽とは?
音楽をやる以上、僕はどんな音楽も
好きです。
そこに優劣や好みはありません。
僕は音楽を愛しています。
貴方には嫌いな水がありますか?
それと同じです。
僕にとって音楽は、水です。
必要不可欠なものです。
その質問が愚問だと言うことを
謹んで心に留めておいてください。





これだ。
これはもう、途中で水が出てきたあたりから気持ち悪さが臨界点を
迎えてしまっているが、
結局この質問がいかに僕を困らせているかを分からせるためには、
変なヤツに絡んでしまったと
後悔させるのが1番いいと思う。






というか、さっきから
何を言ってるのか自分でよく
わかりません。


なにをそこまで毛嫌いしているのか、
それくらいすんなり答えろよ、
と思えて来てます。
でもここまで書いたら
引き下がれないのです。


こんな理詰めの人間、
絶対にモテないだろうなと思ってます。
心、改めます。


誠にすみませんでした。





そして、通り過がりのインド人から
好きな音楽を聴かれることはありません。