花粉という忌まわしき物質を擬人化する



なにやら3月に入って
くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、という
豪華3点セットが僕の身体宛に
着払いで届いたので
これはもう、あれ、確定だなと。



ついに来たかと。







いざ自分がなってみると
この理不尽さでやり場のない怒りが
暴発しそうである。


日本が大好きで花粉の予備知識など
なかった外国人が日本に来ると
どう思うのだろう。
なんて言うのだろう。

『オー!ジャパニーズ空気イズベリーバッド!アンドクレイジー!グッバイ!!』



こう言い残して
即日帰国するに違いない。




3泊4日の予定だったのに。





花粉というのは基本的に目には
見えない。
なのに存在感が半端ない。
ステルス。
そこに理不尽性と怒りが伴う。




そこで僕は思った。



嗚呼、もし花粉が見えて
人の形をしていたら、
ことごとく殴ってやりたい
いや、殴ってさしあげたい


普段温厚な性格をしているはずの
僕がこんな事さえ思ってしまうのだ。




なので妄想で花粉を
擬人化してみようと思う。
そして完成したそいつを頭の中で、
返り血をあびるくらい、
ボコボコにするのだ。


(暴力はいけません)




まずは特徴的な部分を挙げていこう。




・私服がダサい


たぶんこれは間違いない。
あんなに無慈悲に人々を苦しめるやつの
センスが良いはずがない。

花粉は基本的に地元のスーパーの
メンズ服売り場で服を買う。
ブランドもへったくれもない、
あの筆記体が鬼のように羅列された
ピチッとしたシャツを買い占める。



・空気が読めない


これはもう確定事項だろう。
花粉の象徴と言っても過言ではない。

例えるならあれ、

大学入りたてにすぐに出来た
6人くらいの男女グループで
その中に確実にもうすぐ付き合いそうな
2人がいて、皆はそれになんとなく
気づいてるので良いタイミングで帰り
2人の場面を作ってあげようとするが
花粉はそれが察せずにずっと居るタイプ。
ことごとく居る。
全く帰らない。
しかもめっちゃ喋る。


シメにラーメンでも食べる?
とか言い出す。




・自分がおもしろいと思っている


これも間違いない。

森林の世界で生きてさえいてくれれば
いいものの人間界にまでこんなにも
幅を利かすというのは
これすなわち、自信過剰のあらわれである。


きっと花粉は
すぐに芸人がやっている感じの
グルメリポートをする。
でも全然面白くない。
困ったら大声でなにかを叫べば
面白くなると思い込んでいる。
でも全然面白くない。
テンション高くて元気な俺、
みたいな感じに酔っているので
テンション低い人を見下している。
でも全然面白くない。




さて、3つほど挙げた所で
花粉のイメージが大体浮かんで来たように
思う。


そこで思った。
なんか、殴るの可哀想になってきた。




なので殴るのはやめます。